太陽光発電と経済産業省
再生可能エネルギーの普及は、地球全体の環境問題であるのと同時に、経済的な問題でもあります。「再生可能エネルギー」「太陽光発電」「バイオマスエネルギー」と聴くと、エコとか環境といった言葉を連想される方が多いですが、実はエネルギー政策というのは、経済と切っても切り離せない関係性にあるものなのです。なぜなら、エネルギーを作るためには、これまで地球資源を消費することが必須だったのですが、再生可能エネルギー技術の向上のおかげで、地球資源を使わずに済むようになったのです。さらに、産業活動においては、絶対にエネルギーを消費することは必要なのですが、これまでエネルギーを消費するということは、お金を消費することだったのと同時に、地球環境に負荷を与えることでもあったわけですが、再生可能エネルギーはカーボンオフセットといって、基本的には負荷を与えることがあります。以上の背景から再生可能エネルギー政策は、環境と経済とに非常に大きな関連性があることになります。
太陽光発電に関する経済産業省の役割
日本の経済産業政策、通商政策、産業技術などを所管する経済産業省についてはみなさんご存知かと思います。この経済産業省は太陽光発電に係る政策の所管省庁でもあるのです。ここでは、太陽光発電に対する経済産業省の役割と取り組みについて説明したいと思います。近年、経済産業省は太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーの導入促進を進めています(実際の所管は外局である資源エネルギー庁が現場で動いています)。経済産業省の担う役割における太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギー促進の狙いとしては以下3点が挙げられます。
- エネルギーの安定供給
エネルギーの大半を海外からの輸入に依存する日本にとって、再生可能エネルギー由来の電力確保は、エネルギー供給停止リスクを低減する意味でも非常に重要と考えられます。 - 地球温暖化防止に向けたCO2削減
現在、日本政府は2020年までに温室効果ガスの排出量を3.8%減(2005年比)とする目標を立てています。そのためには再生可能エネルギー技術を確立し、化石燃料主体の発電からの転換が必要になっています。 - 環境関連産業の創出
再生可能エネルギーに係る産業及び雇用創出は、アベノミクスにおける成長戦略の三本柱の一つとして期待が大きく、経済産業省でも本方針に基づき、太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーの導入推進に尽力しています。
このうちの2.の分野は環境省の管轄とも思えますが、温室効果ガスの排出については、基本的には経済活動によってもたらされるものであることもあり、経済産業省でも役割を担っているといえます。また、3.の環境関連産業の創出は、環境関連産業が事業とすることは環境省の管轄ですが、それを産業化していくためには、経済産業省が中心となるわけです。このように、どこからどこまでが環境省の管轄で、どこからどこまでが経済産業省の役割かといった点については、非常に切り分けが難しかったり、ある面共有している側面があるのも事実のようです。
経済産業省の取り組み
経済産業省による再生可能エネルギー導入促進のための施策としては、固定価格買取制度やグリーン投資減税が挙げられます。その内容は以下のとおりです。※2013年度まで実施されていた太陽光発電導入支援補助金は、2014年度以降は助成されません。(これも経済産業省の管轄でした)- 再生可能エネルギーの固定価格買取制度
固定価格買取制度は、2012年7月より再生可能エネルギーの普及促進のために実施された制度です。経済産業省はこの前身となる2009年11月の太陽光発電の余剰電力買取制度も含めて、主導的に本制度の成立に向けて尽力しました。 - グリーン投資特別減税
また経済産業省では、太陽光発電設備を含む「グリーン投資」対象設備への投資に対して、取得価額の30%特別償却又は7%減税控除(中小企業者のみ)のいずれかを選択し税制優遇を認めるグリーン投資特別減税制度を施行し、再生エネルギー関連の投資拡大を図っています。
こう考えると国の政策としては、環境保全のための長期的な目的で普及が促進されるであろう太陽光発電関連事業ですが、経済産業省の役割が多いようです。現代社会が資本主義経済であることを考えるとある面仕方ないことということができるかもしれません。
予想される今後の傾向とまとめ
今回は太陽光発電に関する、経済産業省の取り組みについて説明しました。太陽光発電への投資を検討するうえでは、この経済産業省の動向を常にチェックし、適切な投資判断の参考にしていただければと思います。※もちろん、当サイトで随時アップしていきますので、絶対に見逃さないように注意してください。必ずトップページ下及び各ページサイドバーにて、更新情報が掲載されるようになっています。また、ツイッター、フェイスブックでも更新した胸を通知しますので、ぜひフォローください。 いずれにせよ、2014年度は産業用太陽光発電を導入する最後のチャンスになるかもしれません。2014年度が最後のチャンス!?なぜいま産業用太陽光発電か?※住宅用太陽光発電はこの限りではありません。
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