太陽光発電の導入規模で分ける高圧・特別高圧
太陽光発電は、導入する規模によって、種別が変わってきます。
なぜなら、電力会社と接続する電線電圧が、容量が大きいほど高圧になるからです。
まず、規模によって、どういう呼び方になっているかを整理したいと思います。
【住宅用太陽光発電】
(低圧)
10kW未満の規模で導入した場合
【産業用太陽光発電】
(低圧)
10kW以上50kW未満の場合
(高圧)
50kW以上2,000kW未満の場合
(特別高圧)
2,000kW以上の場合
上記各カテゴリごとに、いろいろな条件が変わってきます。
特に【住宅用】から産業用で大きくかわり、(低圧)から(高圧)で大きく変わってきます。
そして、電気事業法の定めるところの、
50kW未満の一般用電気工作物(小出力発電設備)から自家用電気工作物へと扱いが変わります。
電気事業法の定める分類が変わることで大きな違いが出てくるのです。
※住宅用太陽光発電と産業用太陽光発電は、全量買取制度における分類の違いとなります。
自家用電気工作物になることによって、経済産業省へ届出を出す必要が出てくると共に、
専任の電気主任技術者を専任し保安規定を届け出ること、4年に一度の法定点検をすること、が義務づけられます。
また、キュービクルという変圧装置を設置することが必要になり、その分初期投資が増えることになります。
さらに、電力会社への接続検討費用として21万円程度出費が必要になります。
キュービクルなど余分にかかる費用が大きくなってきます。
そのため100kW程度までなら、費用対効果とすれば、50kW未満で導入するほうが、お得になります。
もし、50kW以上100kW未満で導入しようと検討されているようでしたら、
いっそのこと50kW未満にすることをおススメします。
【比較検討事例】
49kWの太陽光発電と98kWはどちらがとくか?
各設備、1kWあたりの年間発電量は1,000kWhと仮定で、2014年度認定&設置の場合。
(49kWの場合)導入価格を1kWあたり30万円とする
初期費用は、30万円×49kW=1,470万円
年間想定発電量は、49kW×1,000kWh=49,000kWh。
年間想定利益は、49,000kWh×32円+消費税=1,693,440円
費用対効果は、1,693,440÷14,700,000=11.52%
(98kWの場合)導入価格を1kWあたり28万円とする
初期費用は、28万円×98kW+キュービクル100万円+検討費用21万円=28,650,000円
年間ランニングコスト・・・保安技術外部委託年間20万円程度(目安)
年間想定発電量は、98kW×1,000kWh=98,000kWh
年間想定利益は、98,000kWh×32円+消費税-年間想定ランニング費用20万円=3,186,880円
3,186,880円÷28,650,000円=11.12%
仮に土地が100kW未満程度の太陽光パネルを導入できるほどの面積があれば、
別名義で、もう一設備50kW未満の太陽光発電施設を導入するのもひとつでしょう。
【高圧で太陽光発電を導入する際のメリットまとめ】
【高圧で太陽光発電を導入するデメリットまとめ】
【結論】
100kW未満で導入するなら、いっそのこと50kW未満にしたほうがよい
高圧の場合は、電気主任技術者は外部委託することが可能でしたが、特別高圧では、不可能になります。
立派な事業になるため、行政により供給電力量の制限を受ける可能性が出てきます。
つまり、発電した電力が完全には全量を買い取ってもらえなくなるということです。
さらに、電力会社での変電所の許容量がどこまで対応できるかも不明であり、
電力会社への送電線や鉄塔などの新設を検討する必要が出てきます。
以上のことから、特別高圧で太陽光発電を導入する場合には、非常に慎重になる必要があります。
しかし、太陽光発電自体の導入単価は劇的に下がりますし、発電量も非常に大きくなります。
得られるメリットが大きくなる分、リスクも大きくなると考えてよいでしょう。
【特別高圧で産業用太陽光発電を導入するメリット】
【特別高圧で産業用太陽光発電を導入するデメリット】
【結論】
なので、2,000kW以上の特別高圧で太陽光発電を導入することができる場合は、
慎重に対応を検討する必要があります。
もしかしたら、50kW未満で導入して残った土地は、太陽光発電事業を分譲している業者に、
販売したり賃貸したりするほうが、メリットが大きくなる可能性もあります。
一方で、オリックスやソフトバンクなどの大企業はこぞって特別高圧のいわゆるメガソーラー発電所を建設しています。
きちんとリスクを踏まえて検討することにしましょう。
なぜなら、電力会社と接続する電線電圧が、容量が大きいほど高圧になるからです。
まず、規模によって、どういう呼び方になっているかを整理したいと思います。
【住宅用太陽光発電】
(低圧)
10kW未満の規模で導入した場合
【産業用太陽光発電】
(低圧)
10kW以上50kW未満の場合
(高圧)
50kW以上2,000kW未満の場合
(特別高圧)
2,000kW以上の場合
上記各カテゴリごとに、いろいろな条件が変わってきます。
特に【住宅用】から産業用で大きくかわり、(低圧)から(高圧)で大きく変わってきます。
産業用太陽光発電を高圧で導入するメリットやデメリット
50kW以上の太陽光発電を導入すると(高圧)で電線と接続することになります。そして、電気事業法の定めるところの、
50kW未満の一般用電気工作物(小出力発電設備)から自家用電気工作物へと扱いが変わります。
電気事業法の定める分類が変わることで大きな違いが出てくるのです。
※住宅用太陽光発電と産業用太陽光発電は、全量買取制度における分類の違いとなります。
自家用電気工作物になることによって、経済産業省へ届出を出す必要が出てくると共に、
専任の電気主任技術者を専任し保安規定を届け出ること、4年に一度の法定点検をすること、が義務づけられます。
また、キュービクルという変圧装置を設置することが必要になり、その分初期投資が増えることになります。
さらに、電力会社への接続検討費用として21万円程度出費が必要になります。
高圧の場合、売電収益が増える分出費も増える
高圧で産業用太陽光発電を導入する場合、スケールメリットで太陽光発電自体の導入単価は安くなりますが、キュービクルなど余分にかかる費用が大きくなってきます。
そのため100kW程度までなら、費用対効果とすれば、50kW未満で導入するほうが、お得になります。
もし、50kW以上100kW未満で導入しようと検討されているようでしたら、
いっそのこと50kW未満にすることをおススメします。
【比較検討事例】
49kWの太陽光発電と98kWはどちらがとくか?
各設備、1kWあたりの年間発電量は1,000kWhと仮定で、2014年度認定&設置の場合。
(49kWの場合)導入価格を1kWあたり30万円とする
初期費用は、30万円×49kW=1,470万円
年間想定発電量は、49kW×1,000kWh=49,000kWh。
年間想定利益は、49,000kWh×32円+消費税=1,693,440円
費用対効果は、1,693,440÷14,700,000=11.52%
(98kWの場合)導入価格を1kWあたり28万円とする
初期費用は、28万円×98kW+キュービクル100万円+検討費用21万円=28,650,000円
年間ランニングコスト・・・保安技術外部委託年間20万円程度(目安)
年間想定発電量は、98kW×1,000kWh=98,000kWh
年間想定利益は、98,000kWh×32円+消費税-年間想定ランニング費用20万円=3,186,880円
3,186,880円÷28,650,000円=11.12%
仮に土地が100kW未満程度の太陽光パネルを導入できるほどの面積があれば、
別名義で、もう一設備50kW未満の太陽光発電施設を導入するのもひとつでしょう。
【高圧で太陽光発電を導入する際のメリットまとめ】
- 導入単価が安くなる
- 発電量をより多く確保することができる
【高圧で太陽光発電を導入するデメリットまとめ】
- キュービクル費用等初期費用が多くなる
- 検討や建設に時間がかかる
- メンテナンスや保安条件など法的な縛りが多くなる
- 手間とランニングコストが増す
【結論】
100kW未満で導入するなら、いっそのこと50kW未満にしたほうがよい
2,000kW以上で特別高圧になったらどうなる?
2,000kW以上で特別高圧になると、もはや立派な発電所扱いになります。高圧の場合は、電気主任技術者は外部委託することが可能でしたが、特別高圧では、不可能になります。
立派な事業になるため、行政により供給電力量の制限を受ける可能性が出てきます。
つまり、発電した電力が完全には全量を買い取ってもらえなくなるということです。
さらに、電力会社での変電所の許容量がどこまで対応できるかも不明であり、
電力会社への送電線や鉄塔などの新設を検討する必要が出てきます。
以上のことから、特別高圧で太陽光発電を導入する場合には、非常に慎重になる必要があります。
しかし、太陽光発電自体の導入単価は劇的に下がりますし、発電量も非常に大きくなります。
得られるメリットが大きくなる分、リスクも大きくなると考えてよいでしょう。
【特別高圧で産業用太陽光発電を導入するメリット】
- 得られる利益が非常に大きくなる
- 導入単価が劇的に下がる
【特別高圧で産業用太陽光発電を導入するデメリット】
- 電気主任技術者の人件費がかかる
- 全量買取にならないリスクがある
- 余分な設備を新設しないといけない可能性がある
【結論】
なので、2,000kW以上の特別高圧で太陽光発電を導入することができる場合は、
慎重に対応を検討する必要があります。
もしかしたら、50kW未満で導入して残った土地は、太陽光発電事業を分譲している業者に、
販売したり賃貸したりするほうが、メリットが大きくなる可能性もあります。
一方で、オリックスやソフトバンクなどの大企業はこぞって特別高圧のいわゆるメガソーラー発電所を建設しています。
きちんとリスクを踏まえて検討することにしましょう。
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