太陽光発電の買取は現状どうなっているのか?
2014年9月25日九州電力による突然の固定価格買取制度新規認定保留問題が起こりました。
これは、すでに全量買取制度の適用を受けることが確定している(=設備認定を受けている)案件以外を、設備認定することをいったん中止するということを発表したものです。その後一週間以内に北海道電力、東北電力、四国電力も同様の発表をしました。
そして、その後九電は50kW未満の産業用太陽光発電のうち、分割型のもの以外は設備認定を開始することが発表になっています。
今回の措置は、太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーを促進するために作られた、電力の固定価格買取制度の適用を受ける権利を認定することを電力会社が一時中止したものであって、すでに稼働している太陽光発電やこれから建設される設備認定を受けた太陽光発電には全く影響がありません。また、住宅用太陽光発電は、すべての電力会社において、新規設備認定を受け付け中ですので、少なくとも2014年度内は、これまでとまったく変わらない運用状況が続くと考えられています。
ここでは、そんな不透明な固定価格買取制度の運用状況を各電力会社毎にまとめましたので、ご確認ください。
併せて、「太陽光発電は危ない」とか、「もう電気は買い取ってもらえない」といった間違った解釈が少しでも減ることを期待したいと思います。
太陽光発電は、今でも、十分投資として魅力的であり、非常に優れたものであることをお知りおきください。
※詳しくは、以下のページも併せてご確認いただくことで理解を深めることができますので、ご利用ください。
- 九州電力による太陽光発電の買い取り中断が今後及ぼす影響は?
- 北海道電力、東北電力、四国電力も買い取り中止に!一体どうなる
- 再生可能エネルギー負担金が1,000円近くまで上昇すると試算
- 今後売電できなくなるから太陽光発電は導入を見送ったがよい?
- 経済産業省が太陽光発電の参入凍結を検討
- 再生可能エネルギー政策の大きな見直し速報
各電力会社の対応状況一覧(2014年11月15日現在)
以下、実際の各電力会社の対応状況をまとめましてのでご確認ください。
なお、以下のものはすべて、「設備認定」を「受け付け中」なのか、「制限中」なのか、「保留中=受付中止中」なのかを表すものですので、ご注意ください。決して、発電した電力を買い取ってくれるとかくれないとかの問題ではありません。すでに設備認定を受けている案件の発電した電力は、現在も今後も、確実に買い取ってもらえます。
また、10kW未満の住宅用太陽光発電は、どの電力会社も設備認定受け付け中になっています。
電力会社名 | 10kW以上50kW未満低圧 | 50kW以上の高圧 | 2,000kW以上特別 |
---|---|---|---|
北海道電力 | 保留中 | 保留中 | 一部受付中 |
東北電力 | 受け付け中 | 保留中 | 保留中 |
北陸電力 | 受け付け中 | 受け付け中 | 受け付け中 |
東京電力 | 受け付け中 | 受け付け中 | 受け付け中 |
中部電力 | 受け付け中 | 受け付け中 | 受け付け中 |
関西電力 | 制限あり | 制限あり | 制限あり |
中国電力 | 受け付け中 | 受け付け中 | 受け付け中 |
四国電力 | 保留中 | 保留中 | 保留中 |
九州電力 | 制限あり | 保留中 | 保留中 |
沖縄電力 | 制限あり | 制限あり | 制限あり |
※北海道電力は、500kW以上の高圧案件については、年間30日以上の出力制限がかかることの承諾があるものは、継続的に新規受付、回答を継続しています。
※関西電力では、一部エリアで接続に制限をしています。制限されているのは、和歌山県(新宮市、田辺市、東牟婁郡、西牟婁郡)、奈良県(吉野郡)、三重県(熊野市、南牟婁郡)、兵庫県(南あわじ市、洲本市、淡路市の一部)となっており、それ以外は受付中です。
※九州電力については、50kW未満の低圧案件についてすでに設備認定申請が提出されているものは、分割型を除き回答が再開されています。
上記を踏まえてできること
上記のとおり、太陽光発電の新規参入は極めて厳しい状態にあります。
しかし、一部制限がなされているエリア以外では、太陽光発電は非常においしい投資でもあります。
一方で、2015年度には間違いなく産業用太陽光発電分野への進出は厳しきなることが想定されるので、太陽光発電投資に興味のある方は、急いで検討を始めてください。詳しくは、次の記事を参照ください。
2014年度が最後のチャンス!?なぜいま産業用太陽光発電か?
固定価格買取制度の各電力会社の対応状況まとめ|太陽光発電のいろはみちしるべ関連ページ
- 全量買取制度の太陽光発電への適用
- 太陽光発電を導入することで受けられる助成としてあげられる全量買取制度についての概要を解説しています。買取価格・条件は、年度ごとに異なるので注意が必要となります。
- 2013年度国からの補助金について
- 太陽光発電を導入する際に助成される2013年度の国からの補助金についてまとめました。
- 太陽光発電導入時の補助金が打ち切りになったことはデメリットか
- 太陽光発電は、2013年度を最後に導入時の補助金(太陽光発電導入支援補助金)は打ち切りになりました。果たしてそれは、デメリットなのでしょうか?2014年度以降お得に導入する方法はないのか検証しました。
- 再生可能エネルギー促進賦課金とは?
- 再生可能エネルギー促進賦課金とは一体なにでしょうか?一体これは何のために、どんなしくみで運用されて、どうなっていくものでしょうか?太陽光発電を導入する方にはぜひ抑えておきたい制度です。