相次ぐ買い取り中止でどうなる太陽光発電!
2014年9月30日、九州電力につづき、北海道電力、東北電力、四国電力の3社も
全量買取制度における再生可能エネルギーの電力買取を中止すると発表しました。
→九州電力による太陽光発電の買い取り中断が今後及ぼす影響は?も併せてご確認ください。
大規模産業用太陽光発電の設備認定が非常に多いことが何よりもの原因です。
太陽光発電は、日中のみ電力を作り夜間は発電しないことから、
電力需要が小さい日の日中に、太陽光発電による電力の供給が多くなりすぎることで、
一時的に電気の需給バランスが崩れて、電力の買い取りをすることができなくなり、
電気の安定供給をすることができなくなることが理由として挙げられています。
つまり、本来は、必要とする電力量を出来るだけ再生可能エネルギーで賄うことを目的として始められた、
全量買取制度の本来の目的から外れてしまう自体になりそうなのです。
電気は常に発電されたものが電線網を満たしており、消費されることでまた供給されるという、
常に作られたものが使われる状態になっています。
電力会社の蓄電能力はまだまだ低いので、昼に電力が余ったから夜に回すということができないのです。
また、電力のニーズは夏の平日の日中をピークに、季節や時間によって需要の量が違います。
太陽光発電による電力の供給も同様で、日射量が多くて、気温が低いときほど供給量が多くなります。
電力会社が問題視しているのは、電力ニーズが少ないある一点の時間に、
太陽光発電からの電力が大量に供給されることで、電力が供給過剰になることです。
日射量が多く、ある地域で太陽光発電による電力が多く作られている瞬間は、
隣接近隣エリアの太陽光発電所も多く発電していることが想定されるため、
太陽光発電による電力の日や時間帯による供給量の不安定さを電力会社の電力網の能力を
カバーできなくなるということなのです。
出典:資源エネルギー庁発表 都道府県別認定・導入量
出典:供給力は資源エネルギー庁発表の「2014年度夏季の電力需給見通しについて」を参照
上記のように、すでに各社とも設備認定容量と、電力会社による電力の供給能力が近くなっています。
電力会社による供給能力と設備認定容量の差が小さいところから新規受付をストップしていると考えてよいでしょう。
上記グラフは、設備認定を受けたものの量なので、実際に設備認定申請中のものはまだかなりあることが想定されます。
さらに設備認定を受けることがないように、一律中止の措置をとったのでしょう。
すでに稼動を始めているわけではないということも、併せて考えておく必要があります。
出典:ソーラーパートナーズブログより転載
上記のように全量買い取り制度の設備認定は受けたものの、実際には稼動していない案件は、
実は全体のうちの大半を占めているのです。
例えば、九州電力では11.3パーセント、北海道電力では9.21パーセント、四国電力では19.84パーセント、
なんと東北電力にいたっては、4.24パーセントという稼働率です。
実際に設備認定を受けたものがすべて稼動した場合を想定して電力会社が対応をするのは、
電力会社としては非常に妥当な措置であるのは間違いありません。
しかし、実際に2012年度に設備認定を受けた案件のうち140件以上が取り消し処分を受けるなど、
認定を受けてから一定期間工事着工しないものは認定を取り消されることになっています。
全量買取制度は、年々買い取り価格が下がることが明言されていることから、
各年度末に業者による「とりあえず」設備認定を取る案件が多くあります。
それらの中には、設備認定の権利を高額で取引するブローカーや、
資金も場所も確保できていなかったり、やるかどうか結論を出していないような人も含まれます。
しかし、平成26年度からは設備認定を受けてから原則180日以内に場所と設備を確保しない場合、
取り消し処分を受けることになっています。
つまり、いわゆる駆け込み認定案件の相当量の案件が稼動に至らず取り消しになる可能性があるということです。
しかし、先の設備認定受けている量が各社の供給能力に近い値の場合は、再開しないと考えられます。
設備認定の再開が行われるのは、各電力会社の供給能力が向上するか、
すでに設備認定を受けた案件が、稼動せずに取り消しになった分を充当する形になるでしょう。
いずれにせよ、全体的に産業用太陽光発電は非常に投資家たちが多く参入してきていることから、
今後はなかなか参入できない自体になる可能性があります。
すでに買い取り停止しているエリアはもちろんのこと、現状まだ余力のある地域でも、
他のエリアに検討していた人たちが一気に目を余力のあるエリアに向けることが予想されるからです。
そして、政府でも全量買取制度の運用に関しては、早急に対応を協議することが発表になっており、
制度自体が今後どうなるか予断を許さない状況にあるからです。
一方で、住宅用太陽光発電の場合は、すべて10kW未満と規模が小さい上に、
余剰電力の買取なので、そんなに大きな問題は発生しないことが考えられます。
※今回の設備認定の新規停止も住宅用太陽光発電については各社適用していません。
以上のことから、産業用太陽光発電を検討している方は、早めに結論を出すことをおススメします。
→産業用太陽光発電で絶対損しないための投資法をご参照ください。
全量買取制度における再生可能エネルギーの電力買取を中止すると発表しました。
→九州電力による太陽光発電の買い取り中断が今後及ぼす影響は?も併せてご確認ください。
各社とも新規の買い取りを中止するもので、すでに設備認定の許可がおりたもの、
あるいはすでに買い取り制度の適用を受けている案件については、その限りではありません。
ただし、今後設備認定の新規申し込みを受け付けないのはもちろん、
今設備認定を提出して許可待ちの案件も当面の間凍結されることになります。
あるいはすでに買い取り制度の適用を受けている案件については、その限りではありません。
ただし、今後設備認定の新規申し込みを受け付けないのはもちろん、
今設備認定を提出して許可待ちの案件も当面の間凍結されることになります。
どうして、このような事態になってしまったのか?
九州電力が買い取り中止したことについて解説した際にもお伝えしましたが、大規模産業用太陽光発電の設備認定が非常に多いことが何よりもの原因です。
太陽光発電は、日中のみ電力を作り夜間は発電しないことから、
電力需要が小さい日の日中に、太陽光発電による電力の供給が多くなりすぎることで、
一時的に電気の需給バランスが崩れて、電力の買い取りをすることができなくなり、
電気の安定供給をすることができなくなることが理由として挙げられています。
つまり、本来は、必要とする電力量を出来るだけ再生可能エネルギーで賄うことを目的として始められた、
全量買取制度の本来の目的から外れてしまう自体になりそうなのです。
電気は常に発電されたものが電線網を満たしており、消費されることでまた供給されるという、
常に作られたものが使われる状態になっています。
電力会社の蓄電能力はまだまだ低いので、昼に電力が余ったから夜に回すということができないのです。
また、電力のニーズは夏の平日の日中をピークに、季節や時間によって需要の量が違います。
太陽光発電による電力の供給も同様で、日射量が多くて、気温が低いときほど供給量が多くなります。
電力会社が問題視しているのは、電力ニーズが少ないある一点の時間に、
太陽光発電からの電力が大量に供給されることで、電力が供給過剰になることです。
日射量が多く、ある地域で太陽光発電による電力が多く作られている瞬間は、
隣接近隣エリアの太陽光発電所も多く発電していることが想定されるため、
太陽光発電による電力の日や時間帯による供給量の不安定さを電力会社の電力網の能力を
カバーできなくなるということなのです。
出典:資源エネルギー庁発表 都道府県別認定・導入量
出典:供給力は資源エネルギー庁発表の「2014年度夏季の電力需給見通しについて」を参照
上記のように、すでに各社とも設備認定容量と、電力会社による電力の供給能力が近くなっています。
電力会社による供給能力と設備認定容量の差が小さいところから新規受付をストップしていると考えてよいでしょう。
上記グラフは、設備認定を受けたものの量なので、実際に設備認定申請中のものはまだかなりあることが想定されます。
さらに設備認定を受けることがないように、一律中止の措置をとったのでしょう。
本当にこんなに太陽光発電が導入されているのか?
しかし、実際のところ、これはあくまでも設備認定を受けているだけの量で、すでに稼動を始めているわけではないということも、併せて考えておく必要があります。
出典:ソーラーパートナーズブログより転載
上記のように全量買い取り制度の設備認定は受けたものの、実際には稼動していない案件は、
実は全体のうちの大半を占めているのです。
例えば、九州電力では11.3パーセント、北海道電力では9.21パーセント、四国電力では19.84パーセント、
なんと東北電力にいたっては、4.24パーセントという稼働率です。
実際に設備認定を受けたものがすべて稼動した場合を想定して電力会社が対応をするのは、
電力会社としては非常に妥当な措置であるのは間違いありません。
しかし、実際に2012年度に設備認定を受けた案件のうち140件以上が取り消し処分を受けるなど、
認定を受けてから一定期間工事着工しないものは認定を取り消されることになっています。
全量買取制度は、年々買い取り価格が下がることが明言されていることから、
各年度末に業者による「とりあえず」設備認定を取る案件が多くあります。
それらの中には、設備認定の権利を高額で取引するブローカーや、
資金も場所も確保できていなかったり、やるかどうか結論を出していないような人も含まれます。
しかし、平成26年度からは設備認定を受けてから原則180日以内に場所と設備を確保しない場合、
取り消し処分を受けることになっています。
つまり、いわゆる駆け込み認定案件の相当量の案件が稼動に至らず取り消しになる可能性があるということです。
どのくらいの期間中止になるか、今後どうなるか?
九州電力も北海道電力も、東北電力も四国電力も、各社とも中止期間は明言していません。しかし、先の設備認定受けている量が各社の供給能力に近い値の場合は、再開しないと考えられます。
設備認定の再開が行われるのは、各電力会社の供給能力が向上するか、
すでに設備認定を受けた案件が、稼動せずに取り消しになった分を充当する形になるでしょう。
いずれにせよ、全体的に産業用太陽光発電は非常に投資家たちが多く参入してきていることから、
今後はなかなか参入できない自体になる可能性があります。
すでに買い取り停止しているエリアはもちろんのこと、現状まだ余力のある地域でも、
他のエリアに検討していた人たちが一気に目を余力のあるエリアに向けることが予想されるからです。
そして、政府でも全量買取制度の運用に関しては、早急に対応を協議することが発表になっており、
制度自体が今後どうなるか予断を許さない状況にあるからです。
一方で、住宅用太陽光発電の場合は、すべて10kW未満と規模が小さい上に、
余剰電力の買取なので、そんなに大きな問題は発生しないことが考えられます。
※今回の設備認定の新規停止も住宅用太陽光発電については各社適用していません。
以上のことから、産業用太陽光発電を検討している方は、早めに結論を出すことをおススメします。
→産業用太陽光発電で絶対損しないための投資法をご参照ください。
北海道電力、東北電力、四国電力も買い取り中止に!一体どうなる関連ページ
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