メンテナンスや維持にかかる費用はいったいいくら?
メンテナンスが大切なことは、メンテナンスは必須ですで詳しく解説しました。そこで気になるのが、太陽光発電のメンテナンス費用や維持費ですよね。
もし仮に、導入費用を10年で回収できるプランがあったとしても、メンテナンスや維持費で多く経費を取られ、実質的な回収期間が20年に延びたりなんぞしては、元も子もなくなりますよね。メンテナンスをしないと最終的に帰って大きな費用がかかってしまう可能性もありますし、収益を大きく減らしてしまう可能性もあります。そのため、事前のメンテナンス費用や維持費にどれくらいかかるかを太陽光発電の生涯収益としてあらかじめ計上しておくことは必須のことと思います。
なぜなら、そもそも導入後経費がかかるのはわかっているのに、シミュレーションに入れないのは現実的なものではないからです。
また、販売店のうち優良でない業者は、「売るため」にメンテナンス費用や維持費をシミュレーションに盛り込まないため、全体として収益が多く見えますが、これは数字のマジックにだまされているようなものだということを念頭に入れておきましょう。
ここでは、まず、次の3つのポイントを押さえておきましょう。
維持費やメンテナンス費を考える上で大切な3つのポイント
販売施工会社が定期点検の費用として提示している額は、 規模、販売店にもよりますが、無料~1回2万円程度になっています。
住宅用の太陽光発電では、法定点検の義務はありませんが、50kW以上の高圧になると法律上の扱いが、一般電気工作物から自家用発電設備になるため、1年に一度の法定点検をすることが必要になります。そのため、強制的にこの金額は法律によって課せられるような形になります。
しかし、逆に住宅用には義務がないので、費用対効果を考える必要があります。
必要以上に点検をするのは、点検費用が無駄になってしまいますし、必要な頻度で点検しなければ得られる発電量が減ることになります。
もちろん、設置場所の環境によって頻度は変わってしかるべきですが、目安として4年に1度の定期点検をすることをおすすめします。
※ただし、日常的な点検=発電量のモニタリングなどはご自身でされることが前提になります。
太陽光発電の定期点検は 4年に1 回実施されるので、 20年間で0~10万円程度の費用がかかることになります。
パワーコンディショナーとメーターの修理・交換は10~15年に一回になります。
保証期間内に故障すれば、無償で修理交換してもらえますが、保証後であれば実費となります。
費用は、パワーコンディショナー修理や交換が大体10万円、メーターの修理等が大体1~5万円程度です。
もちろん、産業用などで規模が大きくなれば、パワコンは少し値段が高くなっていくでしょう。
パワーコンディショナーやメーターは発電している間常に稼働している機器です。
稼働しているということは、必ずいつか壊れるということです。
壊れると言うことは、基本的には修理というよりは交換が必要になる可能性は高いことを意味しています。
つまり、 20年間掛かるパワーコンディショナーとメーターの修理費用は、およそ 10~15万円と程度と考えておきましょう。
上記の費用の他に、追加でかかりうる費用は2つあります。
- 場合によって有償の延長保証
- メーカーによっては有償となる自然災害保証
メーカーによっては、保証の「期間」や「範囲」を広げるために、有償で保証内容の拡張をしてくれるところが多いです。
私は、基本的に家電は絶対に延長保証しないのですが、太陽光発電の場合は万が一の際の修繕額が大きくなる可能性が高いため、できれば拡張しておくことをおすすめしています。もちろん費用対効果としては、メーカーが儲かるようにできている=故障する確率のほうが低いですが、もし修理が必要になるレアケースに当たった場合は、大きく経費がかかることになりますし、想定外の出費になってしまいます。
そのため、有償保証を購入して、事前にリスクを減らし、シミュレーションに組み込んでしまうことをおすすめします。
実際に、当初から経費として組み込んだ上で購入すれば、まったく問題はないということができるでしょう。
※ほとんどの場合無償保証で対応して貰えますが、なかには上限金額が設定されている場合があるので要注意です。例えば、私が調べた限りでは「 200万円までは無償にしますが、それ以上は有償です」という規定があるメーカーがありました。きちんと調べておく必要があります。
メンテナンスは重要!効率の良い発電を
NPO法人太陽光発電所ネットワーク(自然エネルギーの普及を目的とした団体)が、 2010年に行った「システムの部材交換・一部の修理を実施した例」を見てみると、なんと・・・故障率が「全体の30%」にも上っていたのです。
もちろん、全体的にむらなく故障しているのではなく、特定のグループ(販売店やメーカーなど)に属している製品に若干の偏りがあり故障しているパターンが多かったです。また、サンプル数も少ないので、ごく一部の調査結果ではあるものの「太陽光発電はあまりメンテナンスがいらない」というイメージを大きく覆す結果となっているのです。現に太陽光発電所ネットワークもメンテナンスの必要性を訴えるために、このレポートを出しています。
製品の故障にいち早く気付いたり、月日が経つごとに衰えていく機能の低下を食い止めるには、定期点検と日常点検をダブルで行うことが、とても大切です。
太陽光発電は設置したら、それで終わりではありません。
10年かけて初期費用を回収し、20年かけて初期費用を2倍にするものです。
太陽光の売電収入を左右する大事な装置でもありますので、きちんとメンテナンス、日常点検を実施しましょう。
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