太陽光発電のいろは「みちしるべ」
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太陽光発電にメンテナンスは必要か?

っかく導入しても故障ばかりでは困りますが、太陽光発電システムは故障が少ないことが1つのメリットとなっています。なんと太陽光発電の期待寿命は20年以上もあり、大きな故障も少ないことからメンテナンス費用が抑えられるというわけです。実際に一昔前は、「太陽光発電はメンテナンスフリーです」なんていわれていた頃があったくらいです。今でも販売施工会社や営業の方の中には「太陽光発電メンテナンスコストが抑えられるから、オススメですよ~!」と言う人がいるくらいです。
確かに、言っていることは決して間違ってはいないと思います。
しかしながら、大掛かりな装置や精密機器ですから「絶対に故障しない」「ずっと性能を維持できる」なんてあり得ませんよね。

  1. メンテナンスすることで、トラブルを未然に防ぐことができ、万が一トラブルがあっても被害を最小化することができる
  2. 長期的に運用するために、メンテナンスをすることが有効
  3. 太陽光発電のメリットを最大化していくために、メンテナンスする
これが、太陽光発電アドバイザーとしての私の見解です。

NEDOの太陽光発電システム評価技術研究会によれば、雷・台風・地震などの自然現象によって引き起こされた故障や、工事が不十分などの人為的な故障、最後に月日の経過と共に起こる故障は全体の16.9%という結果が出ています。つまり、メンテナンスしなければ、5件に1件くらいの割合で故障するということなのです。
※下記資料は、独立行政法人産業総合研究所が調べた太陽光発電を設置して5年間で発生した交換件数を表したものです。
上段の表が太陽電池で、下段の表がパワーコンディショナーです。

太陽光発電の故障件数 パワーコンディショナーの故障件数

どんな故障がでてくるの?

「太陽光パネルは、20年以上の長期的な出力保証している、長いものだと25年保証もある。だからメンテナンスしなくても大丈夫だ」と言う方もありますが、、寿命は長いとは言え、長年使っていれば機能は低下してしまいくものです。また、パワーコンディショナーについては長くても15年保証です。太陽光パネルは、シリコンなどの半導体の「性質を活用」して発電するので、損耗は少ないですが、パワーコンディショナーはモーターも内蔵しているため、稼働することによる損耗も見込まれます。また、パネルは住宅の中でもっとも過酷な条件ともいえる屋根上に設置され、風雨と日光にさらされます。
そのため、致命的な故障と思われるものは、なかなかないかもしれませんが、上記のとおり、太陽電池で数%、パワーコンディショナーで最大25%がトラブルになるという報告があるわけです。また、故障しないまでもパネルは放置していると表面が汚れるなどして、発電量が減ったり、機能低下により売電収入は減っていくことも想定できるでしょう。
あとは、PID現象や層間剥離などの問題が起こることもあります。
PID現象と対策層間剥離の原因と対策参照ください。

太陽光発電システムの点検方法

では、メンテナンスはどのように行っていくことがよいのでしょうか?

第一に大切になるのは、点検するということです。

そもそもトラブルが発生していないかをしっかりと見極めることが大切です。また、太陽光発電システムの定期点検、定期メンテナンスは、主に販売施工会社が行いますが、メーカーによって4年に1度以上の点検薦められています。
誰が点検を行うのか?と言いますと、主にEA認定PV施工技術者もしくはメーカー認定技術者が行うそうです。
販売店は、契約条件として「定技術者を保有していなければいけない」ということになっています。
※そのため、販売店が倒産するのは非常にリスクになるということがいえるわけです。


また、太陽光発電の導入検討時には以下の2つことを確認することが大切です。

  1. 定期点検スケジュール=導入時に明確にしておくことが必要です。
  2. 定期点検をする担当者に、資格保有者か認定技術者であるかどうかです。

口頭ではなく、書類で確認しておくことをオススメします。
また、これら定期点検に加えて、日常の発電量異常がないかを監視、点検しておくことが何よりも大切です。
万が一晴天なのに発電量がおかしいなどの異常を発見したら、即座に販売店あるいはメーカーに連絡をいれましょう。

日常点検のチェック項目は?

具体的には、日常の点検は発電量の監視以外にはどのようなことをしたらよいでしょうか?
以下の3点を定期的に確認されることをお勧めします。

  1. 太陽光パネルや架台
  2. パワーコンディショナ―本体
  3. 外線内線ケーブル、接続箱など

また、点検箇所をどう点検するかについては、つぎの5つのポイントを参照ください。
いったん稼働してしまえば、しばらくは問題ないですが、日常的に意識しておくことが大切です。

  1. 変な音はしないか。異常な振動、変な臭いはないか
  2. 部品や本体は壊れていないか
  3. 腐食、配線は外れていないか
  4. 本体が汚れていないか、傷は大丈夫か
  5. 明細書やモニターで発電状況を確認する

簡単なチェックで構わないので、月1回程度点検することをおすすめします。


もし、太陽光発電の導入を迷われているようでしたら、次の記事を確認してみてください。


メンテナンスは必須です。|太陽光発電のいろはみちしるべ関連ページ

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