考えられる付帯工事について解説しました。
太陽光発電を導入する場合、設置場所の環境や状況に応じてさまざまな工事が必要になることがあります。標準工事は、ただ太陽電池、パワーコンディショナーや接続箱、電力量計などの機器類を設置し、それらを配線工事した上で、逆潮流するための措置を行うことなのですが、古い住宅やさまざまなじょうけんによって、補強作業だったり電線の張り替え作業、延長作業などじつにさまざまな作業が必要になることは少なくありません。ここでは、一般的に考えら得れる付帯工事についてどのようなものがあるかを開設してみました。
ちなみに、付帯工事は標準工事費に含まれないため、完全に通常の価格からプラスオンされる形になります。
現場調査をしないと正確な見積もりができないといったのは、このためです。
実際に導入にいくらかかるか、最低でも3社程度は現場調査をしてもらった後に見積もりを取得することをおすすめします。(※付帯工事内容に妥当性を検証するために、比較検討が必要になるため。→見積もりとシミュレーションを取得して採算性を確認する参照ください。)
分電盤交換
分電盤とは、それぞれの部屋に電気を分けるほか、漏電遮断器(漏竃ブレーカー)や配線用遮断器(安全ブレーカ)等が取り付けられている装置のことをいいます。[単相二線]の状態では連系運転ができないため、「単相三線」であるかどうかの確認を行います。
単柤三線でない場合は、工事日より以前に電力会社へ電力系統の切替申請を行ったうえで、電力会社と同日の切り替え工事が必要となります。
また、この工事に伴い、あとでで説明する「幹線張替作業」も必要となります。
主開閉器やリミッター、漏電ブレーカ等を必要に応じて単品で交換できることもありますが、基本的にはこのような交換作業を必要とする場合は築年数が経過している場合が多いため、分電盤そのものを交換したほうが効率的です。 また、この他、漏電ブレーカが交換できない場合も分電盤ごとの交換が必要となります。
漏電ブレーカーから一次側の容量は太陽光発電の公称最大出力と同等以上にすることが必要になります。
いずれも一般家庭に電気を引き込む方式ですが、単相二線式では、100Vの電気機器しか使えません。単相三線方式では、200Vの電気機器を使用することができます。
幹線張替作業
単相三線でなかった場合には、幹線張替作業が必須であることは既に説明しましたが、その他、太陽光発電システムの容量により、既存幹線の許容量を上回ってしまうことがあり、その場合においても幹線張替作業が必要となります。
この際、配線の長さも見積りの際重要であるため、できるだけ正確に把握する必要があります。
こうした幹線張替作業がある場合は、当然ながら「停電状態が幹線張替なしの場合と比較すると、長くなることに注意してください。
また、引き込み線の地上高が3m以下の場合や、窓、ベランダ等から容易に手が触れるような場所、道路横断箇所の地上高によっては、引き込み点の変更も必要となります。その他、引き込み線の張替に伴い、引き込み点の強化を指示される場合もあり、各電力会社の「内線規定」に従って、確認することが必要になります。
「内線規定」・・・電気設備技術基準を補完する民間自主規格を定めたもの。
グリーンメーター取り付け工事
グリーンメーターは正式名称「総発電電力量計」と呼ばれるものであり、パワーコンディショナから出た交流電気のすべてを計量するためのものです。
基本的には、年1回の計量を行いやすい場所(他の電力量計の並び等)に設置します。
既存の計量計の取り付け状況によっては、近接した設置が不可能であったり、施工費用が高額になったりする可能性があります。
※太陽光発電アドバイザー公式ガイドブックより
屋根裏補強工事
取り付け予定の太陽光発電システムの施工工法、メーカー指示工法によっては、屋根裏や屋根材下での補強施工が必要となる場合があります。
太陽電池モジュールは、軽いとはいえ屋根に設置する場合全体で重量は数百キロに及ぶことがあります。
屋根の上は、風や雨や雪などさまざな状況にさらされるため、過酷な状態においても保持できる体制を築くことが必要になります。
したがって、太陽電池を設置する屋根面が、太陽電池を支えられないような場合や、メーカー指定する工法が実施できない場合、屋根裏を補強することが必要になります。まれに販売店によっては少しでも安く導入価格を抑えるために、この必要な補強工事を不要と説明する方もあります。しかし、太陽光発電は10年、20年運用していくものなので、最初手を抜くと後々痛い目に遭う可能性がありますので、慎重に判断するようにしましょう。複数社見積もりを取得した際に、もっとも慎重な意見を述べる業者を信頼して吉です。
太陽熱温水器の撤去等
太陽光発電システムの設置前に、太陽熱温水器が設置されている場合は、設置スペースの関係もしくは顧客の要望や、エコキュートの設置等の状況において、太陽熱温水器の移設もしくは撤去といった作業が発生することがあります。撤去後、もともと設置してあった場所は周辺部分と比較して、変色の度合いが異なったり、質感の違いが明らかであったりすることがあるため、そのような場合を想定して、塗装業者の手配が必要かどうか、確認をとっておくことが重要です。場合によっては費用が多くかかることが多いでしょう。
太陽熱温水器………太陽光に含まれる赤外線を熱として利用して水を温める装置のことをいいます。※長期使用の温水器の移設は配水管等が非常に弱くなっている場合が多く、その部分の取り換えも事前に調査しておくことが必要です。また、夏期の撤去作業時、ソーラー温水器の中から、高温の湯がでる場合があるため、内部の水抜きが必須になります。
現場状況
基本情報として、築年数、構造、コンディション、設置階、梯子をかけるスペース、工事関係車両の駐車スペース(顧客の車の処置と工事車両の処置)、作業スペースをチェックすることが必要になります。これは安全無事に太陽光発電の設置工事を行うために必須になり、工事がスムースにできない場合は、設置不可となることがあります。隣地からしか機材を搬入や出入りができない場合や、設置屋根面下が隣家の駐車場になっている場合等については、着工前挨拶で了解が得られるのか、別の方法を考えておく必要があるのか、住宅密集地であればあるほど、気をつけておく必要があります。
機器の設置場所
パワーコンデイショナ、接続箱、モニターユニット、太陽光ブレーカ等、設置可能スペースがあるかどうかについて確認するだけでなく、設置場所について、事前の協議することが必要です。望み通りにならないこともありますし、追加費用をかけることで、設置場所を変えることもできます。遠慮せず、しっかりと話し合いをしましょう。
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