太陽光発電は、温度が高いと発電効率が低下するので注意!
太陽が激しく照りつける夏・・・。
さぞかし、太陽光発電はたくさん発電しているだろうと思いきや・・・。
思ったよりも発電量が少なかった・・・。
既に導入している人の中には、このような経験をしている方が多いはず。
それもそのはずです。
これまで、太陽光発電製品の中心だった素材、結晶系シリコンは、
気温が高くなり、モジュール温度が上昇すると発電効率が低下する特性を持っていたのです。
→発電効率については、太陽電池モジュールの変換効率とは?参照ください。
現在流通している太陽光発電モジュールの中で、もっとも発電効率がよいとされるものは、
単結晶モジュールであり、特にアメリカサンパワー社からOEM供給されている東芝製のパネルは、
世界No.1の発電効率を誇り、20.1%という性能を持っています。
これは、日本エネルギー計画の中では、2020年に達成目標であった未来の発電効率です。
→発電効率世界No.1|東芝太陽光発電の実力のヒミツ
ところが、これだけ発電効率のよいパネルであっても、
夏を中心とした暑い時期、気温が上昇しパネル内部の温度が60℃を越す高温になると、
発電効率が非常に低下するため、大きなネックになっているのです。
それもそのはずです。
太陽光発電の発電効率は、以下の国際規格によって定められた条件下の発電量であって、
実際に設置した際の条件とは大きく変わってくるのが当たり前だからです。
一方で、国際統一の規格がなければ、発電効率を比較することもできないので、
発電効率はあくまでも目安として考えておくとよいのではないかと思います。
【発電効率を測定する際の国際規格】
- エアマス1.5
- パネル温度25℃
- 1kW平方メートル
そこで開発されたのが、HITやCIS
日本には四季があり、年間を通して日照時間が異なり、気温も変わってきます。単結晶パネルだと冬や春先は、発電量が多くなってよいのですが、
夏場の暑い時期、特に日照時間がもっとも長い時期に、発電効率が低下するのは大きな痛手です。
特に日本の太平洋側では、比較的温暖な気候のところが多いので、
夏場暑い時期の発電効率の低下は大きなネックとなっていました。
そこで研究開発が進み、現在市場で人気を博しているのが、次の二つの素材です。
→太陽光発電の素材については、太陽電池の種類をご覧ください。
NEDO:独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構から委託されてソーラーフロンティアが開発したCISパネルは、
発電効率こそ、単結晶に比べて格段に低い13%程度ですが、実発電量ではNo.1という評価を得ています。
実発電量とは、実際に太陽光パネルを設置して発電した量のことを指します。
これは、CISモジュールが温度が上昇しても発電効率が低下しにくい性質を持っていることが要因です。
下のNNEDO:独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構による素材別の発電量の推移が参考になります。
また、パンソニックは、三洋電機時代から研究してきたのが、
高発電効率の単結晶モジュールとアルファモスを組み合わせて、暑さに対する耐性を強化した、
ハイブリッド型のモジュール、HITです。
こちらも、非常に好評で発電効率が非常に高い上に、
実発電量も多いこともあって、現在人気No.1商品の一つになっています。
結局いろいろシミュレーションするしかない
最終的には、あなたの設置場所で、どの素材のパネルがもっともよいかということは、現地調査しないと判断することはできません。
もしかしたら、東芝製パネルがよいかもしれませんし、HITかもCISかもしれません。
暑さのほかにもさまざまな要因が絡みあって発電量が変わってくるからです。
しかし、この温度という要因は、非常に強力な影響を及ぼす因子になっているのは間違いありません。
あとは、導入費用も大きな要素になってきます。
いくら多く発電するとしても、導入費用が高すぎてはいけませんし、
逆にいくら安くても発電量少な過ぎても意味がありません。
これらを総合的に判断してどのパネルにするか決定していきましょう。
→太陽光発電で費用対効果を最大化する方法をご覧ください。
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